カテゴリ:環境/エネルギー/気候変動



フォーラム・ニューエコノミー(2024)「新しいパラダイム ベルリン・サミット宣言 -人々を取り戻すために-」(朴勝俊訳)
翻訳 · 04日 6月 2024
フォーラム・ニューエコノミーは、気候変動や、不平等の拡大、グローバリゼーション、政府の役割の再定義といった大きな課題に対応する、新たな解決策と包括的なパラダイムを模索することを目的に、2019年にベルリンで設立された超党派のプラットフォームです。革新的な研究者を支援し、著名な専門家と実務家およびより広範な一般市民を結びつけます。 50 名を超える著名な学者たちが共同アピールの中で、大義を重視した新たな経済政策の必要性を訴えています。各国政府は、積極的な産業政策や、不平等の是正、よりよく管理されたグローバリゼーションによって、自由民主主義に対する信頼の喪失に対抗すべきです。

米国バイデン政権の気候政策「インフレ抑制法」に至る道(朴勝俊著)
論文・報告書 · 02日 10月 2023
2028年、グリーン・ニューディール政策を求める「サンライズ・ムーブメント」の若者たちは、ペロシ下院議員のオフィスを占拠して、気候政策に真摯に取り組むことを要求した(多くが逮捕された)。サンライズ・ムーブメントは大学生が中心の運動で、「誰ひとり取り残さない」ための、GNDを求める運動を展開してきた。かれらの運動を受け止め、具体的な政策として打ち出したのが民主党左派の議員たちである。バーニー・サンダースのGND政策は、15年間で16.3兆ドル(1ドル=140円として、2282兆円)という、大規模な積極財政政策であった。サンダースはこの政策を掲げて、民主党の大統領候補予備選挙に挑戦した。結果は敗退だったものの、この予備選がアメリカの運命を大きく動かすことになる。サンダースたちが蒔いたGNDの種が、のちに米国バイデン政権の気候対策法、「インフレ抑制法」に結実するのである。本稿ではこの「インフレ抑制法」の成立に至る経緯の全貌を明らかにする。

バーニー・サンダースのグリーン・ニューディール2019:その全容と財源(サンダース陣営著、朴勝俊訳)
翻訳 · 01日 9月 2023
019年の大統領予備選挙において、民主党の有力候補であったバーニー・サンダースはグリーン・ニューディールを目玉政策として打ち出しました。15年間で1700兆円以上という巨額の財政出動と、年齢・人種・性別などの違いを超えた人々の結集によって、米国の経済・社会・産業・社会保障をグリーンで公正なものに転換するという、壮大な計画です。あらゆる分野にまたがるバーニーの構想の全容と、反緊縮=積極財政を基盤としつつ、格差是正のための税制にも切り込んだその財源リストを翻訳・公開しました。

欧州議会規則:エネルギー価格の高騰に対処するための緊急介入について(朴勝俊訳・解説)
翻訳 · 17日 3月 2023
表題の規則は2022年10月6日付けで成立した。規則(regulation)とはEU法の一種で、欧州連合の立法機関(欧州閣僚理事会と欧州議会)で可決されればそのまま各加盟国に適用されるものであって、各加盟国の立法上の裁量権が強い指令(directive)とは異なる。今回の規則の内容について、詳しくは朴勝俊の仮訳を参照されたい。 この規則は、2021年9月以降の電力価格高騰に、とりわけロシアのウクライナ侵攻や、異常気象や技術的問題によるフランスの原発発電量の減少、および異常気象による南欧における水力発電量の減少による電力価格高騰に対処するものである。

サンライズ・ムーブメント11の原則(プラカシュ&ジルジェンティ(2021)『グリーン・ニューディールを勝ち取れ』那須里山舎 より、朴勝俊訳』)
翻訳 · 24日 11月 2022
アメリカの政治を動かし、グリーン・ニューディールを一部ではあるものの、バイデン大統領に実現させた若者たちの運動・サンライズ・ムーブメント。彼ら彼女らが運動の柱として掲げた「11の柱」とは?   サンライズ・ムーブメント 11の原則 翻訳:朴勝俊(2022/11/20) 典拠:https://www.sunrisemovement.org/principles/?ms=Sunrise%27sPrinciples プラカシュ&ジルジェンティ(2021)『グリーン・ニューディールを勝ち取れ』那須里山舎

2019米国民主党グリーン・ニューディール決議案:連邦政府はグリーン・ニューディールを創始する義務があると認識する(朴勝俊訳)
翻訳 · 05日 10月 2022
2019年、米国民主党は若者達の気候運動サンライズ・ムーブメントの訴えなどを受け、新人下院議員のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスを中心として、グリーン・ニューディール決議案を議会に提出しました。この決議案は残念ながら否決されましたが、気候変動を止めるための野心的な目標を盛り込んだ、画期的な内容でした。その後、グリーン・ニューディールは実質的にバイデン大統領の主要政策に盛り込まれ、様々な政治的困難に直面しながらも、実現に向けて動き始めています。このグリーン・ニューディール決議案に盛り込まれた「経済変革による排出削減において、米国は主導的役割を果たす必要がある」「気候変動や環境汚染、環境破壊は、体系的な人種的・地域的・社会的・環境的・経済的不公正を悪化させる」は、同じ先進国である日本にとって必要な視点です。

ドイツ原発運転延長に反対する4つの要点(クリストフ・バウツ著、朴勝俊訳)
翻訳 · 24日 8月 2022
ドイツ原発運転延長に反対する4つの要点 原題:この現状に原子力発電はなぜ全く役に立たないのか クリストフ・バウツ(Christoph Bautz) 翻訳:朴勝俊with DeepL 原典(ドイツ語) https://blog.campact.de/2022/08/warum-atomkraft-uns-jetzt-gar-nicht-hilft/

米国上院・下院で可決された「2022年インフレ抑制法(いわゆる気候対策法)」について(朴勝俊著)
翻訳 · 20日 8月 2022
2022年8月16日にジョー・バイデン大統領は「2022年インフレ抑制法(H.R.5376)」と題された法律に署名した。8月7日に上院を通過し、12日に下院で可決されたものである。2022年インフレ抑制法は、国内エネルギー生産への投資と医療・医薬品コストの引き下げを行いながら、財政赤字を減らし、物価上昇を抑制することを目的とした法律である[1]。再生可能エネルギーの支援なども含むことから「気候対策法」などとも呼ばれているが、これは、バイデン政権が2021年に提出した法案に比べれば、ずいぶん後退したものである。さらにこの法律では、国内でのエネルギー生産と送電網構築を促進・支援するための政策が確立されている。その目的として掲げられているのは、消費者の負担を下げ、米国が長期的な排出量目標を達成することを支援することである。本稿ではInvestopediaのHPに掲載された、ジム・プロバスコ(Jim Probasco)の解説”Inflation Reduction Act of 2022“を参考に、この法律の解説をおこなう。

「グリーン・ニューディールの財源調達論」(ネルシシアン&レイ著、cargo訳)
翻訳 · 10日 8月 2022
このワーキングペーパーは、J.M.ケインズがHow to Pay for the War (戦費調達論) という小冊子の中で発展させた方法論に従い、グリーン・ニューディール (GND) の 「費用」 をリソース需要の観点から推定する。必要となる政府支出の推計値を単純に合計するのではなく、GNDプロジェクトの実施に充てられるリソース(resources)の利用可能性を評価するのである。これには、未利用あるいは未活用の資源を動員するとともに、資源を現在の破壊的・非効率的な利用からGNDプロジェクトに移行することが含まれる。我々は、通貨主権を有する米国政府にとって支払い能力(affordability)は問題にはならないと主張する。むしろ、十分な資源をGNDに回せない場合はインフレが問題となる。そしてインフレの可能性が高い場合には、ターゲットを絞った徴税や、賃金・価格規制、配給制、自発的な貯蓄などのインフレ対策が必要となるだろう。

ポリシー・ブリーフ「日本の気候政策の実現可能性と未来」(長谷川羽衣子著)
論文・報告書 · 14日 4月 2022
日本は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという野心的な目標を掲げた。しかし政府は原子力や化石燃料の選択肢を放棄する気はないようである。また日本の人々の多くは、とりわけ長引く不況で経済的に苦境に立たされている人々は、気候変動は緊急の問題ではなく、エリート層の関心事とみなしている。気候変動政策を実体のあるものにするためには、気候運動を活性化させ、国民にもっと情報を与え、与党に公約を実行するよう求める必要がある。そのためには国際社会が、とりわけドイツのように脱原発とカーボンニュートラルを同時に目指している国々がモデルケースとなり、クリーンエネルギー社会への移行が経済的にも堅実で有益であることを示すことが求められる。 ※この論考は、ハインリッヒ・ベル財団のHPに英語で掲載された論考の日本語版です。

さらに表示する